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真理通信

  第111号 令和5年(2023年)3月1日発行

ひともし蓄(たくわ)うるなく 口にする量(ほどよさ)あり

その心境(おもい)は空(くう)にして

形相(すがた)にとらわれず かつ 解脱(げだつ)をえたり

かかる人のゆく道は たずぬるによしなし

まこと 空とぶ鳥に 跡なきがごとし

                (法句経 92


新・法句経講義 6 8 ◇

 <※ 「新・法句経講義」は、巻頭ページ掲載の法句経について解説しています。>

 「欲を言えばキリがないJという言葉がありますが、人の「欲」には、際限がありません。仏教の目指すところは、この「欲」のコントロールです。
 とはいえ、まったく「欲」を無くして、ガリガリになるまでの「断食」をしろというのではなく、蓄えなどなくても、「ほどよく食べ」、「欲」を断ち切っていれば、それはもう「解脱」している、というのです。
 そうした人は、欲にとらわれ、欲をかかえ、欲にしばられている人と違って、空を飛ぶ鳥のごとくに、どこに行ったかも分からないように、自由にゆうゆうと進んでいける。そんな教えが、ここに説かれています。
 年齢が進むと、あれもしたい、これもしておきたい、あれも残したい、これも残したいと思いがちですが、そうした「思いを残す」のではなく、蓄えは少なくても、適当に食べ、適当に楽しんで過ごす、そんな生き方ができれば、心も軽くなって、空を飛んで行く鳥のように、自由にのびのびと、時を過ごせるかも知れません

仏教豆知識 87

    

 念を入れる、念のため、念力、入念、など、「念」には、思いを集中して、心を込める意味があります。「念仏」は、一心にその名を称え、祈る行為です。
 念という字は、「今」と「心」で出来ています。「今」というのは、時を止めるという意味です。流れる時間を止めて、はじめて「今」が生まれます。ですから「念」は、心を止めること、集中することを言います。
 神田寺の「仏教勤行式」に出てくる「六念」は、念仏、念法、念僧、念戒、念施、念天のことで、それぞれに心を込めることをお誓いするものです。


<主管所感>
                   宗教と寄附の精神
                                               友松浩志
 旧統一教会の事件で、「宗教と寄附」のことが社会問題となっている。安倍元総理暗殺の原因につながった、多額の寄附を強要した宗教団体への批判。確かに、寄附しなければ悪いことが起こるとか、何かの霊に取りつかれるなどの脅しは、脅迫行為であり、論外のことだが、どんな宗教でも、それが今日まで存続しているのは、多くの信者たちや信徒の方々からの寄附によるものであるのも事実である。
 仏教教団がインドに成立したのも、多くの信者や信徒が僧侶に住む場所を与え、食料を提供したからである。そのことは、仏教を学んだ誰もが知っていることであり、先々代の当寺主管・友松圓諦師は、仏教教団の収入と分配について大きな研究書を残している。
 そもそも仏教は、人々からの自主的な「施し」(施食:せじき)を前提に成立している。仏教は、仏様の存在を信じ(南無仏)、仏様の教えを信じ(南無法)、仏様に仕える人を信じ(南無僧)ることを基本に、自らの欲心をなくし、人に役立つ人間になって、より完成された存在(菩薩)に近づく教えである。正月の初詣でお寺や神社にお参りした方も多いと思う。でもそれで、絶対「商売繁盛」するとか、幸福が訪れると確信した方はないだろう。神仏への祈りというのは、無報酬の信念であり、自己習練の決断である。
 お布施やお賽銭というのは、代価を求めるものではなく、ともに生きる神仏へのお礼・施しである。宗教は商売行為ではないが、その運営には費用がかかる。不動産収入や事業収入がある寺社も多いが、それがなければ、寄附や布施収入がなければやっていけない。歴史的に宗教は、国や統治者に保護され、寄附を受けて存続してきた。しかし、そうした保護がなくなった現在、その運営は生やさしいものではない。自主的な「寄附の精神」「施しの心Jを、もう一度真剣に考え、それをいかに守り育てていくか、宗教界全体が、今こそ真剣に考え、そのあり方を社会に示していく必要があるように思う。

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◆西墓地合同墓利用始まる◆
 
 近年の少子化や家族構成の変化によって、家族単位のお墓の維持が難しくなったかたに向けて、合同墓の設置が各地で進んでいます。ロッカー式や地下金庫式のものなど、様々ですが長い年月のことを考えると、寺院内に付設された、地上にあるものが安心だと思います。 また、樹木葬という形式が宣伝されていますがほとんどは芝生墓地で、あまり従来の個人墓と変わらないものです。本当に樹木の下に墓地を作ると、本の根が入り込んで改修の難しいものになります。
 当寺の合同墓は、どなたにも安心して使用して頂けるものと思います。檀信徒のかた以外でも新規にお申込み頂けます。また、個人での利用も可能です。ペット用の棚もあり、ペットの受け入れもできます。使用料など、お気軽にお問い合わせ下さい。

◆新年修正会

 新年の幸せを祈る「修正会」(しゅしょうえ)が今年も元日の午後2時から、神田寺の会堂で行なわれました。
 全員で神田寺の勤行式で読経の後、主管の法話があり、そのあとお茶で歓談しました。新年の抱負を発願録(ほつがんろく)に記して、思いを語り合いました。
 なお、来年から「修正会」は西墓地別院で元日の午後、自由墓参と合わせて行なう予定でおります。
                   ▶ 法話のあと神田寺の会堂にて


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<真理ニュース>

◆彼 岸 会  春の彼岸会は、昨秋のお彼岸と同じ対応で実施します。
① 法要参加・・3月21日(火) 午前10時・12時・午後2時の3回、西墓地別院で法要を行ないます。
  (各回先着20名、東墓地の方も参加できます。)
 ・当日は自由墓参とし、両墓地ともお墓での読経を随時行ないます。
 ・両墓地で、お土産のお寿司を用意しております。(午前9時~午後4時)
②塔婆供養・・同封の葉書(春彼岸会塔婆供養申込書)でお受け致します。
 ・先祖供養塔婆は、1本:3000円です。(振込用紙をご利用下さい。)
 ・戒名を入れた個別供養塔婆をご希望の方は、別途官製はがきでお申込み下さい。(個別供養塔婆は1本:4000円です。)
③墓地管理費も、同封の振替用紙にて送金頂くか、墓地でお支払い下さい。

◆小規模保育
・真理学園幼稚園の小規模保育は、 4月1日(土)より開始します。

◆入 園 式
・新年度の入園式は、以下の日程で行なわれます。
 真理学園幼稚園:4月3日(月)、神田寺幼稚園:4月4日(火)

◆慣らし保育
・真理学園幼稚園:4日・5日・6日、神田寺幼稚園:5日・6日・7日

◆始 業 式
・真理学園幼稚園は7日(金)、神田寺幼稚園は10日(月)に行ないます。

◆花まつり
・お釈迦様の生誕をお祝いする「花まつり」は、本年も白象パレードなどは中止となります。
・10日(月)から、玄関に花御堂をお飾りします。自由に灌仏(お釈迦様の像に甘茶をかけること)が出来ます。

◆真理舎の会(法句経による仏教講話)  今年の予定は以下の通りです。
 ・4月14日(金)午後1時30分~ 3時神田寺仏間にて(兼・降誕会)
 ・6月9日(金)午後1時30分~ 3時神田寺仏間にて
 ・10月13日(金)午後1時30分~ 3時神田寺仏間にて
 ・12月8日(金)午後1時30分~ 3時神田寺仏間にて(兼・成道会)
「仏教勤行式」による読経と、友松浩志主管の仏教講話が行なわれます。
関心のある方は、どなたでも参加できます。(無料・自由献金)

今号より表紙構成など若干変更しました。新しい年度、コロナ対策にも変化があるようすが、新たな気持ちで再スタートしたいと思います。

発行済の真理通信(PDF版)

・令和4年(第108~110).pdf へのリンク

・令和3年(第105~107).pdf へのリンク

・令和2~3年(第102~104号).pdf へのリンク

・平成31~令和元年(第99~101号).pdf へのリンク

・平成30年(第96~98号).pdf へのリンク

・平成29年(第93~95号).pdf へのリンク

・平成28年(第90~92号).pdf へのリンク

・平成27年(第87~89号).pdf へのリンク

・平成26年(第84~86号).pdf へのリンク

・平成25年(第81~83号).pdf へのリンク

・平成24年度(第78~80号).pdf へのリンク

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