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真理通信真理通信

  
第114号 令和6年(2024年)3月1日発行
  年3回( 3・8・12月)発行 












おろかなるもの 
おのれ愚かなりと思うは

彼これによりて
またかしこきなり

おろかなるに
おのれかしこしと思うは

彼こそ まこと
おろかといわるべし
   (法句経 63 )

新・法句経講義71 ◇

 <※ 「新・法句経講義」は、巻頭ページ掲載の法句経について解説しています。>
 
 自分の「おろかさ」に気づかない人って、案外たくさんいるものです。知ったかぶりで、自分の意見をしゃべりまくる、そんな人を、よくテレビのショー番組で見かけます。
 とはいえ、人の「おろかさ」は見えても、自分の「おろかさ」には、なかなか気づかないものです。ギリシャのソクラテスが「無知の知」(自分が何も知らないことを知っているという自覚)を尊重したように、お釈迦さまも「おろかさ」の「自覚」を求めておられます。
 「人」は、どこまでいっても「人」です。どこかの優秀な学校を卒業しようが、どんな大会社の社長さんだろうが、「人」は「人」の限界を越えることはできません。それ故に、「人」としての愚かさも、またずっと持ちつづけていきます。その自覚があるかないか、それがその人を決めます。
  高ぶらず、偉ぶらず、自分の力を自覚して謙虚に人に接する、そんな「人」のあり方、姿が、求められているのです。


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仏教豆知識     90

    天 竺

 天竺(てんじく)とは、インドのことをさす古い言葉です。唐天竺(からてんじく)と言いますか、唐は中国、天竺はインドを指し、遠い遠い国のことを言います。三蔵法師が孫悟空と目ざした国です。
「天竺」の語源は不明のようですが、「インド」の語源はインダス河からきています。インダス河はサンスクリット語でSindhu (シンド)と言い、それがベルシャ語でSがH に変化してヒンドウとなり、さらにギリシャ語でHがとれてインドウ、インドスになたと言われます。長い歴史を感じる言葉の変化です。

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<主管所感>
 
 道しるべのない山
                   友松浩志
 正月休みに、久しぶりに湘南の小さな山に登った。
 住宅地のうらの、ヤプのような所から登りはじめて、シノ竹のなかに見え隠れしている細い道を探しながら、何とか登っていった。ともかくヤプばかり、住宅地の家々が下の方に小さくなっても、視界は一向に開けない。
 しばらく登ると、T字の分かれ道にでた。右も左も下りで、何の表示もない。小さい山だから、地図も磁石も持ってきていない。いざとなれば、下の住宅地にかけ下ればいいと左に進むと道はどんどん下る一方、これじゃ頂上に行かれない。気を取り直して右に行くと、しだいに道は登りになって、いくつかの起伏を繰り返しやっと頂上に達した。
 頂上といても、三角点の礎石と小さな手書きの山名表示があるだけ。眺望はまったくないヤブの中。久しぶりの山は征服できたが、大きな教訓があった。それは「道しるべのない山」もあるということ。
 たいがいの山には、道しるべがつけられている。登山口には「〇〇山登山口」、分かれ道には矢印、山頂には「〇〇山」と立派な表示がある。それが、あたり前と思っていると今回のようなことになる。この道でいいのだろうか、と登り始めて、方角も分からず突き進み、登った所もハッキリしない。小さい無名の山ほど、そんなものなのだ。
 これは、何か人生に似ている。人生の入り口に、「〇〇さん入口」なんて書いてある訳ではないし、いろんな分かれ道に、矢印がついている訳でもない。一生懸命登り続けて、やっとたどり着いた所も、頂上かどうかよく分からない。
 人はみな、「道しるべ」のない山に登っているようなものだ。あっちだろうか、こっちだろうか、と迷いながら、ひとり一人の山を登っていく。ときには人に道を聞いたり、友だちになったりすることはあっても、最後は自分の頂上に立つために登っていく。切ないけれど、寂しいけれど、それ故に尊いことのように思う。

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◆圓諦忌 50回忌法要◆

 昨年の11月16日、神田寺会堂で、神田寺先々代住職・主管の友松圓諦師の50回忌法要が行なわれました。昭和48年、78歳で遷化された圓諦師は、法句経の講義や多くの著作で知られ、仏教学者としても活躍されました。当日、圓諦師から直接教えを受けた弟子の方々や、檀信徒の皆さん約30名が参加され、神田寺の勤行式による法要が行なわれ、幼稚園の先生方による仏教聖歌も歌われました。法要後、圓諦師の法話録音が流され、なっかしい声が会堂に響きました。その後、友松浩志主管から御礼と今後の神田寺のあり方についてのお話しかあり、夕刻解散となりました。

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◆ 冬のお泊まり保育 ◆
   12月22日・23日に神田寺幼稚園の冬のお泊まり保育が新潟県の越後湯沢で行なわれました。暖冬で、雪の少ないはずのスキー場に、当日になって大量の降雪があり、子どもたちは新雪に埋もれながら、雪あそびやソリあそびを楽しみました。
 民宿では、みんなでコタッに入ったり大浴場であそんだりして、これも楽しい思い出になりました。
            
▲雪まみれになってあそびました。

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<真理ニュース>
◆彼 岸 会 
春の彼岸会は、昨秋のお彼岸と同じかたちで実施します。
①法要参加 
3月20日 (水) 午前10時 ・ 午後 1時に、 神田寺会堂で法要を行ないます。
・法要に参加される方は、 同封の申込みハガキでお知らせ下さい。
・神田寺で法要と法話があります。 お土産のお寿司の配布があります。
・両墓地まで、 大型バスでお送りします。
・当日は両墓地で、読経も随時行ないます。
②塔婆供養 
 同封のハガキ (春彼岸会塔婆供養申込書)で、 事前に受付けます。
・先祖供養塔婆は、1本: 3000円です。
・戒名を入れた個別供養塔婆をご希望の方は、別途官製はがきでお申込み下さい。
  (個別供養塔婆は1本: 4000円です。)
・お支払いは当日か、同封の振込用紙をご利用下さい。(手数料なし)
③墓地管理費
・同封の振替用紙でご送金頂くか、墓地でお支払い下さい。

◆花まつり
お釈迦様の生誕をお祝いする「花まつり」は、本年も白象パレードなどは中止となります。
8日 (月) に、 玄関に花御堂をお飾り します。自由に灌仏 (お釈迦様の像に甘茶をかけること) が出来ます。

◆真理舎の会 (法句経による仏教講話)
今年の予定は以下の通りです。
・4月12日(金)午後1時30分~ 3時 神田寺仏間にて(兼・降誕会)
・6月14日(金)午後1時30分~ 3時 神田寺仏間にて
・10月11日(金)午後1時30分~ 3時 神田寺仏間にて
・12月13日(金)午後1時30分~ 3時 神田寺仏間にて(兼・成道会)
 ※「仏教動行式」による読経と、友松浩志主管の仏教講話が行なわれます。

◆能登地震で被災された方々に、心よりお悔やみ、お見舞いを申し上げます。寺院や保育施設にも大きな被害が出ているようです。復興を祈念申し上げます。

発行済の真理通信(PDF版)

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